1.お客様が多様化したのが今の時代の特徴です。

約10年くらい前から、小売業界でライフスタイルショップという形態が流行りました。それが「ライフスタイルを提案されるなんて大きなお世話!」という空気になり、今では下火になっているようです。

SNSが広く普及し、個人が自分らしい個性を広く発信できる環境が整いました。SNSユーザーは、カリスマ的な一個人を観察し、様々な情報を収集することが当たり前となりました。そしてその傍らで、情報発信の従来の主役であったマスメディアでさえも、消費者で構成されるネットワークを監視し続けるという始末です。

今は、個人のライフスタイルは自分自身で編み出すものという時代となりました。

そんな日常に慣れた一般消費者は、「編集」するという高度な技術を身につけました。情報の断片を集め、それを自分だけの一つのストーリーとして編み上げる。今の時代の特徴である、「消費者の多様化」には、こんな背景があると思います。

2.多様化した「お客様の価値観」に対応する家づくりとは?


私たちのお客様が新たに展開する「暮らし」を考えるにあたり、この変化に着目する必要性を日々感じています。

ただ、小売りとは違い住宅は長期間にわたり付き合うものです。刻々と変わる個人の趣味嗜好、生活サイクル、身体の状態、家族の状態、先端技術などの様々な将来の不確定要素に対応できることが求められます。

だから注文住宅を提供する私たちとしては、50年以上の長期間にわたり、健康的で楽しい充実した毎日を過ごして欲しい。だから、その時々の暮らし方を優しく包み込むような、包容力のある住居を提供したい。

このような想いを胸に抱いています。

そんな住居であれば、そこに住み手のしたい暮らしを持ち込んで、生き生きとした個性を発揮できると思うのです。だから、できるだけシンプルにつくることに拘りたいと思います。特殊なことは決して必要ないと思います。そして、シンプルな場所に工夫を施す時って、とても楽しいですしね。

新しいご新居で暮らしがスタートして、ご夫婦お二人でいろんな日常を楽しんで、家族が増えたら今は思いもつかない遊びで楽しむ。お子様の成長に合わせてその都度いろんな楽しみ方があるでしょうね。DIYにもハマるかもしれません。


そんなワクワクする将来そのものこそが、ご家族のライフスタイル。そう思います。

だから、予測不可能な将来のライフスタイルをも実現可能とできるような、包容力のある住まいをご提供したいと思うのです。

3.当社で建てたお客様のシンプルな価値観

2002年に当社が建築した真鶴のA様邸。ご主人のことばです。


「人生の折り返し地点での新居の計画。家の間取りを細かく考えることなんかよりも、これからの人生でいつ何が起こるのか?という事をしっかりと考え抜くことが何よりも大切。すると、細かく間取りを考える必要なんて無くなる。結局シンプルな家が長い目で見て住み心地が良くなる。」

このようなお考えのもと、プロジェクトを進められました。建築当時は40代後半だったご主人、とても深みのあるお言葉をいただきました。

4.お客様を知り、多方面から考えて、常識的な判断をすること。


当社アイ.創建では、設計前のお客様打ち合わせで、ご新居でしたいことをどんどん語ってもらっています。そのお言葉をヒントに、ご家族のことをできるだけ理解するよう努めています。


そこで注意しているのが、50年先までの暮らしへの配慮。快適性や耐久性を確保するためのハード面への配慮と、ライフステージの変化に円滑に対応できる設計や資金面といったソフト面での創意工夫。

総合的な視点から住まいを計画することが、本当に価値のある住まいへの近道です。決して、特殊な空間を考える必要はありませんし、特殊な能力も必要としません。


ひとつの常識として「住まい」に向き合うこと。これが成功する住まいづくりのための、シンプルな秘訣だと思います。

参考リンク

真鶴A様施主様インタビュー「普請道楽の真骨頂」(当社ウェブサイト)